3.通訳をする機会の大切さ
―――行政のあの仕事が、弊社の手話業務のスタートでしたね。
K先生:よう行かしてもらってね。
―――あれがスタートでしたね。
K先生:そうでしたね。
―――午前行って、夜行ってとかね。寒いときに。
K先生:そうそう。でも、一生懸命行ったね。楽しかったわ、でもそれが。
―――ありがとうございます。Bさん(※)があそこの仕事。
K先生:Bさんでしょう。そうそう。今、仕事してるんですけどね。もうほんとにこちらの会社のおかげで、Bさんが通訳通ったんですよ。
―――手話通訳士ですか。
K先生:手話通訳士も両方しはったんやけど。2つ試験(※)をぱんぱんと通ってね。それはやっぱりあれで行かしてもらった。ほんとにあのおかげです。
―――お手紙それもらったんですよ。もう辞めることになるんでということで。
K先生:いや、そう。知らんかったわ。
―――Aさんのおかげでさせてもらって、あの仕事があったから。
K先生:そう。あったからあの子は通ったんやと思う。
―――言っていただいたとき、やっぱり先生ありがたいなと思いました、本当に。
K先生:今頑張ってます。あの子も仕事がしたかったんやと思いますよ。
―――ろうの方をサポートされるお仕事だと思いますけど、どういうことをされるんですか。
K先生:御存じない方も多いんです、聞こえない人がどういう方か。皆さんも一緒やと思いますけど、聞こえへんかったら書いたらいいわとか、思いませんか、普通。
―――そうですね。
K先生:そんなん思ってる人多いでしょう。聞こえへんかったら、書いたらこれ見たらわかるやろと思うんですが、なかなかそれが分かる人と分からへん人がいてる。それを周りの方が御存じないから、聞こえない人の特性とか。で、周りに聞こえる人ばっかりで自分一人だけだったら、全然周りとのコミュニケーションもできないでしょう、手話できる人がいなければ。
―――そうなんですね。それは、手話のやり取りでふだん生活されてて、文字を見てぱっと理解するというのが、ちょっと厳しいんですよね。
K先生:ちょっと苦手な方もいらっしゃるんです。大学を卒業した人でもそうなんですね、なかなか。
(※)試験・・・手話通訳士の試験と広域的地方公共団体実施の試験
(※)Bさん・・・弊社の登録手話通訳者
(続きます)
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