西都速記株式会社は、創業以来、「情報技術の未来を見据え、速記という伝統技術に新しい価値を創造し提供していくこと」を社会的使命として歩んでまいりました。
私たちが向き合ってきたのは、単なる文字起こしではありません。
行政、司法、議会、放送、字幕、手話通訳など、正確な記録と情報保障が求められる現場では、今この瞬間も、人の言葉が社会の意思決定や人生を左右しています。
しかしその現場では、発注形式の乱立、紙やFAX文化、属人的な運用、人材不足、増え続ける情報量など、多くの課題が存在しています。
近年は音声認識やリアルタイム字幕などの技術も急速に進化し、文字を出力すること自体は以前より容易な時代となりました。
そのような時代だからこそ、私たちは改めて、本当に残すべき記録とは何か、誰一人取り残さない情報保障とは何かを問い続けています。
弊社では、速記という伝統技術を土台に、音声認識技術、リアルタイム字幕、多人数による修正支援、表記統一、運用ノウハウなどを組み合わせながら、より高品質で持続可能な情報保障サービスの実現に取り組んでいます。
一方で、長年現場に携わってきた中で、最終的に品質を支えるのは現場を知る人間の判断力であることも深く実感しています。
小さな声、録音環境由来のノイズ、方言、重なった発話、語尾のイントネーションや間によって意味や意図が変化する日本語特有の曖昧さ。
そこには単純な自動化だけでは解決できない現実があります。
だからこそ私たちは、技術と人、効率と責任の両立を大切にしながら、一歩ずつ前へ進み続けてきました。
2016年には速記文字の電子化に関する特許を取得。その後も、字幕同期、多人数参加型字幕システム、MIDI信号を活用した入力技術など、さまざまな研究・開発に取り組んでまいりました。
これらは単なる技術開発ではなく、未来の情報保障に必要となる仕組みを、今のうちから形にしたいという思いから生まれたものです。
おかげさまで現在では、中央省庁、地方自治体、裁判関連、独立行政法人、民間企業、海外案件に至るまで、多くの御依頼をいただけるようになりました。
また、手話、速記、字幕、文字通訳による包括的な情報保障サービスを一括提供できる、日本唯一の民間企業として、日々挑戦を続けています。
私たちは決して大きな会社ではありません。
しかし、小さな会社だからこそ、現場の声を直接聞き、試行錯誤を重ねながら、新しい価値を生み出せると信じています。
最後に全社員共通の思いとして、音声を視覚化する役務を通じて日本語の奥深さに魅了され、また悩まされ、一進一退の日々でした。今後もそのようにありたいと思います。
まだまだ若い会社ではありますが、前へ前へ進んでまいります。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和8年5月吉日
西都速記株式会社 代表取締役 上野 佳之